本日は「みそかじつ。」が独自にお贈りする特集記事になります。
→看護職の仕事の規定と責務 – 悲劇はいつだって起こるし、本物のストーリーなんてこんなもんだ
一寸先は……
私たちの誰もが人生において、次の瞬間に何が起こるかわからないものです。改めて、このようなことを言われなくても自覚していると思われるかもしれませんが、突如として自分の身に降りかからないとわからない部分は必ずあります。
きっと、“なんで自分だけが・・”と精神的にもふさぎこんでしまうことでしょう。代表的なものでいえば、交通事故が挙げられます。ほんの一瞬の出来事ですべてが変えられてしまいます。自分がどれだけ安全に注意していても、もらい事故に遭ってしまった場合にはどうしようもありません。
例えば、こちらのサイト(→看護職の仕事の規定と責務 – 悲劇はいつだって起こるし、本物のストーリーなんてこんなもんだ)の管理人さんは、まさにこのケースに該当する方です。
ある真夜中、居眠り運転していた車に正面衝突され、生死をさまよう状況へと陥ってしまいました。この方は25年以上にわたって歯科技工士として仕事に没頭し、スタッフを何人も抱えながら歯科技工所を経営していました。
ホームページに詳細が記述されていますが、とても強いこだわりを持って、より良い製品を作りあげることができるよう努めるばかりであり、自宅に帰ることも少ないほど人生の大半の時間を仕事に注ぎ込んでいたにもかかわらず、自分に責任のない一瞬の事故ですべてが変えられてしまったのです。
足、目、そして心を奪われた日
入院後、1年ほどリハビリを重ねたものの、これまで通りに歩くこともままならなくなりました。そして、眼底出血を起こしていた結果、視界の鮮明さまでも失われてしまったのです。
歯科技工士の仕事はミクロ単位が要求されるものであり、人生をかけてきた仕事さえもできなくなってしまいました。当然のことながら、喪失感はとても大きなものであったとサイトにも記述されています。
仕事ができなくなってしまえば、その後の経済的不安も重く圧しかかってきます。生き地獄であったと表現されている入院期間中、心身に抱え込んでしまった悩みや不安の数々によって、この方はうつとなってしまいました。
うつはストレス社会と呼ばれる現在、大きな問題となっていることはご存じでしょうが、一度、うつ状態に陥ってしまえば、そこから這い出すことはなかなか難しいものです。こちらでご紹介してきた管理人さんは、精神的にだけでなく、身体的な理由からも病んでしまったわけですが、その後、自力で立ち直っており、それまでの過程が赤裸々にホームページに掲載されています。
ポジティブに「諦める」こと
入院中に自分よりもっと大変な境遇の方を目の当たりにしながら、それ以降のことをあれこれと考えているうちに、諦めることの重要性に気付いたのです。自分自身に強いこだわりを持っていた管理人さんにとって、単純に未来を諦めることなどできない日々が続いたものの、諦めることがいかに合理的な判断であるのか認識したのです。
“諦める”と聞けば、ネガティブなイメージを受けてしまいますが、決してそうではありません。一般的に、“諦めるな!”と教育され続けてきたのですから、諦めることはいけないとすぐに思い浮かぶのでしょうが、諦めることは無報酬である状況を変えていくための適切な選択肢に他なりません。
ある目的のために努力し続けたとしましょう。しかし、それが報われない日々が繰り返されてばかりの状況下、多くの人は挫折を感じながらも努力を重ねようとします。そんなある日、自分自身を客観的に見つめ直したところ、その目的がずっと達成されないだろうと察すれば、どういった判断をすべきでしょうか。
確かに、いつかは夢が叶えられるかもしれませんが、その可能性は限りなく低いのですから、諦めて別の目的を探した方が合理的といえます。この一連の流れをビジネスに置き換えてみればよりわかりやすいかと思います。
利益を追求して一つのプロジェクトを開始したものの、いつまで経っても上向いてこなかったとき、おそらく満場一致でプロジェクトの打ち切りが決定されることでしょう。人生は一度しかありませんので、時間は必ず限られたものです。
いかに有効に使っていくかを意識してみれば、諦めることは逃走ではなく、合理的な判断といえます。諦めるほうが自分の人生にとってベターであるとわかっていても、なかなか思い切りがつかない場合もあるでしょう。
このようなときには現在の自分をあるがまま受け入れることが必要です。これまで願い続けてきた目的を達成できない自分を受け入れるのは辛いかもしれませんが、こうすることで次の目的を見つけやすくなるため、人生における着実な一歩を進めることができます。
今の自分に、できること。
もっと考えてみれば、努力が報われない日々を過ごし続けることが果たして幸せな日々なのでしょうか。努力すれば夢が叶うと見聞きしてきたことでしょうが、正確には“努力すれば叶う夢もある”と表現すべきです。
それぞれがどのような夢を見るのかは自由ですが、より充実した人生を送っていくためにはそれらを一つ一つ叶えていかなければならない以上、夢は現実的なものとしておくべきでしょう。
“この目的を達成しなければ幸せになれない”などという縛りは誰の人生にもありません。それをひとつの既成概念として捉え、縛り付けられている自分自身を客観的に見つめ直す時間を設けてみてはいかがでしょうか。
上でご紹介した管理人さんは、事故で失ってしまったものを割り切りながら、現在の自分自身を受け入れるように努力した結果、身の回りのちょっとしたことが幸せであると感じられるようになり、うつ状態からの脱却を果たしています。
松葉づえは一生離すことのできない身体の一部であると仰っており、未来を見据えた生き方を貫いていこうという強い意志さえ感じさせられます。現在、ココロに悩みを抱えておられるようであれば、こちらの管理人さんのホームページをご覧になってみてください。
メンタルケア関連の書籍やホームページは数多くありますが、それらのほとんどが理想論に過ぎません。充実した日々を突如として失い、それらを取り戻すことができなくなった喪失感よりうつとなった後、見事に立ち直ることができた体験談に目を通したほうが、生きた情報に他なりませんので、きっと皆さまにとっても参考となることでしょう。
“悲劇はいつでも起こる。
これが本当のストーリー”と題された同サイトの記事は、抱えている夢が達成できずに報われない日々を過ごしている方にも、今後の生き方を考えていくうえで目を通してみるべき内容となっています。
いつだって心の持ちよう。